Thursday, August 28, 2014

InDesign:動画を埋め込んだインタラクティブPDFを作ってみる

電子書籍と言えばEPUB3だけど、インタラクティブPDFにも未来はある(願望)と思うので試しにPDFに動画を埋め込んでみた。
 印刷関係でインデザインは 時々使うんだけど動画を埋め込めるのは初めてです。うまくいくかな?
インデザインのバージョンはcs5.5です。

準備


今回、使用している動画はこちら(※音が出ます)
 
640px480px・7.4MBのmp4形式動画です。

アフターエフェクトで簡単なスライドショーっぽい動画を作りました。
シーケンスレイヤーを使えば簡単に作れるね。
このブログにもシーケンスレイヤーについての記事があるから参考にしてね。

動画用にお借りした素材などは以下。
スライドショーの作り方参考動画: スライドショーを1分で作る!(YouTube)
音楽素材:フリーBGM DOVA-SYNDROME(曲名:潮風 作曲者:ISAo.(イサオ)氏)

ではでは、この動画をインデザインに埋め込んでみようと思います。


 
インデザインに動画を貼る
インデザインのページ設定はA4のペラにしました。動画を埋め込んでいるのですが、印刷をすることも想定して印刷用紙サイズのドキュメントにしちゃいます。


このへんは適当です。

動画を貼るといっても特別な操作は必要ないです。
普段画像を貼るように上のメニュー「ファイル」→「配置」でお目当ての動画を選択するだけです。ドラッグ&ドロップでもいいですし、あらかじめ作っておいたフレームに貼ることもできます。

動画を配置すると最初のフレームが表示されます。(真っ黒なのは気にしないで下さい)


動画が大きすぎるので縮小をしましょう。動画の拡大縮小をするときは 「拡大/縮小」ツールを使うのをおすすめします。動画のオブジェクトには「ポスター」「ムービー」「フレーム」と三つの要素があるので選択ツールでサイズを調整使用とすると結構めんどくさいです。とくに「ポスター」と「ムービー」の大きさは同じにすることがほとんどですので、三つの要素をまとめて操作ができる「拡大/縮小」ツールが便利です。(もちろん、選択ツールを使ったほうがいい場合もありますが今回はそれほど凝ったことをするわけでもないので使いませぬ)
選択ツールを使うとこうなりがちです。

「拡大/縮小」ツールで大きさの調整ができました。


メディアパネル ポスター画像と制御パネル

動画が真っ黒(現在は最初のフレームが表示されています。)で見た目が悪いので[メディアパネル]を使ってポスター画像を設定しようと思います。
ポスター画像というのは動画のサムネイル画像だったり印刷をしたときに表示される画像だったりします。

[メディアパネル]を開きます。上のメニューの「ウィンドウ」→「インタラクティブ」→「メディア」と進みます。
メディアパネルで動画の色々な設定が出来ます。

再生ボタンの横のスライダーを動かして好きなシーンを選んで「ポスター」の項目から「現在のフレームから」を選ぶとドキュメントの動画の表示が変更されるはずです。
動画内のシーン以外にも別に用意したオリジナルの画像をポスターに設定をすることもできます。

 次は制御パネルを設定してみます。貼りこんだ動画に「再生ボタン」や「スクロールバー」なんかを付けたいときに設定してあげます。

今回は「SkinOverAll」に設定して「ロールオーバー時にコントローラーを表示」にチェックを入れました。
制御パネルの設定は貼りこんだ動画形式で変わります。たくさんの設定があるのでいろいろ試してみるのをお勧めします。

さて、このあたりでPDFに書き出した状態をチェックしたいと思います。でもわざわざPDF書き出しも手間なのでプレビュー機能を使おうと思います。
上のメニューの「ウィンドウ」→「インタラクティブ」→「プレビュー」と進みます。
ちゃんと動画に制御パネルが付いているのが確認できました。



メディアパネル ナビゲーションポイントを使って再生ポイントの設定する
[メディアパネル]内のナビゲーションポイントを使ってみようと思います。
ナビゲーションポイントを使うと、たとえば動画の2分の所から再生をするボタンなんかを作れます。

まず、再生を開始したいシーンにスクロールバーを合わせます。
次にパネル下部にある+ボタンをクリックするとナビゲーションポイントが作成されるので適当に名前を付けましょう。(今回は「2分」という名前にしました。)


次にボタン用のオブジェクトを作ります。今回は簡単にインデザイン内で作りました。

テキストフレームで適当にボタン用のオブジェクトを作りました。もちろんイラストレーターやフォトショップで作ってもいいと思います。

このテキストフレームをボタンオブジェクトにします。
オブジェクトを選択した状態で、上のメニューの「ウィンドウ」→「インタラクティブ」→「ボタン」と進みます。
ボタンパネルが出ました。

 [ボタンパネル]内の「アクション」の項目から「ビデオ」を選択します。
ドキュメントに貼られている動画が一つの場合自動で貼りこんである動画が選ばれるはずです。
 
 また、ボタン用のオブジェクトにボタンマークが表示されているはずです。
 この段階ですでに動画とボタンは関連付けられていますので、プレビューをしてみるとボタンを押すことで動画の最初から再生を始めることがわかると思います。ただの再生ボタンを作るだけでしたらここまでの作業で済みますな。

今回は動画の2分から始めるボタンを作りたいのでもう少し続きます。
 [ボタンパネル]内の「オプション」の項目を「ナビゲーションポイントから再生」に設定します。さらに、ポイントを先ほど作った「2分」に設定します。


 これで動画の再生ポイントを2分にしたボタンができました。
この作業で作ったPDFは記事の最後にてダウンロード出来るようにしておきますので参考にしてください。


動画を自動で再生する
今度はPDFを開いたときに動画が自動で再生される設定をしてみます。
インデザインをボタンを作る前の行程まで戻っておきました。

動画を自動再生するには[メディアパネル]と[タイミングパネル]を操作してあげます。
2つのパネルは上のメニューの「ウィンドウ」→「インタラクティブ」にあります。

まずは単純にPDFを開いたと同時に動画が再生される設定です。
これは簡単。[メディアパネル]内のページの「読み込み時再生」にチェックを入れるだけです。
急に再生されると読んだ人がびっくりするのであまりおすすめできませんけどね
 次はPDFを開いてから3秒後に動画が再生される設定です。
動画の再生を遅延させるにはさらに[タイミングパネル]にも設定を加えてあげます。
まず、上の記事と同様に [メディアパネル]内のページの「読み込み時再生」にチェックを入れて、次に[タイミングパネル]で目当ての動画を選択して、「遅延」の項目に送らせたい分の時間を入力してあげます。
先に「ページの読み込み時に再生」をチェックをしないとタイミングパネルで設定ができないので注意して下さい。
これでPDFを開いてから3秒後に動画が再生されます。
と、プレビューなんかを見ると上手く遅延ができてるように見えますが、PDFに書き出すとこの遅延の設定が反映できませんでした。SWF(フラッシュ)形式だとちゃんと反映されるので何とか方法があると思うのですが現状で上手く解決する方法が見つかりません申し訳ありません。

たぶん、下記リンクを参考に修正ができるとは思うのですが、正直言ってこれほどの手間をかけるぐらいなら元の動画制作ソフト(今回ならアフターエフェクト)で動画を作り直したほうが速いはずです。

書き出し
書き出しを間違えてしまうと折角インタラクティブPDFを作っても普通のPDFになってしまいます。ので気をつけましょう。


まとめ・ポイント
今回は動画を埋め込むだけのチュートリアルでしたが、埋め込んだ動画は普通のオブジェクトのように色々な効果を付け加えることもできますので色々いじってみるのも面白いと思います。

惜しいことにインタラクティブPDF自体があまり普及されていない見たいですがEPUBでインタラクティブな電子書籍を作るよりも全然簡単なのでもっと広まって欲しいですね。

ダウンロード・参考リンク
インタラクティブボタン.pdf(記事内で作ったインタラクティブPDFです参考にしてみて下さい。)

 インタラクティブPDFでつくったインタラクティブPDFのつくりかた(タイトル通りインタラクティブPDFの作り方をインタラクティブPDFで解説されています。)



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Monday, August 25, 2014

Illustrator:wundes.com に公開されているイラストレーターの便利なスクリプトを試してみた。

今日もこつこつとなんか便利なイラストレーターのスクリプトがないかなーとネットを巡回していたら海外にいい感じのスクリプトを公開しているサイトがあったのでそこに置いてあったスクリプトを試してみました。各スクリプトのダウンロードは下のリンクからよろしくです。

http://www.wundes.com/JS4AI/
wundes.com内のスクリプトのページです。
全部で36個のスクリプトが紹介されているね。大体CS〜CS4用と書かれているけど特に問題もなさそうなので管理人はCS5で使っています。

36個の内あまり使い勝手が無いなーというのを抜いたものを紹介しようと思います。
翻訳に関してはGoogle先生と管理人の妄想で構成されています。




Add Swatches Light And Shadow(スウォッチに光の色と影の色を追加)

塗り色が設定されているオブジェクトを選択してこのスクリプトを実行すると・・・

ハイライト用の色と影用の色を自動で作ってくれます。(名前も自動で付けてくれます。)


Align Text Field Center  (テキストフィールドの中心で整列)

「整列パネル」の中央揃えだとこうなりますね。

テキストの位置を動かしたくないときもあります。

 

All Points (全てのアンカーポイントから対角線を描く)

アンカーポイントの位置に注目。

すべてのアンカーポイントを直線でつないでます。

いろんな線幅のオブジェクトで試してみましたが直線の太さは1pt固定のようです。


Arc Twister (アークツイスター)

線に色を設定しているオブジェクトにこのスクリプトを実行してあげます。

変形の度合いを設定するためのウィンドウが出ますのでお好みで色々試してみて下さい。

ひねったり、ねじったりする表現が出来ます。

元のオブジェクトが円形でないと効果がないみたいですね。




CMYK to PMS(プロセスカラーからpantoneカラーへ)

印刷用のCMYKで作られている色からpantoneに置き換えたいときに近い色のpantoneカラーを探してくれるスクリプト。
正直 「CMYK → PANTONE」のほうが便利だと思います。イラストレーター内で出来るという利点はありますが、なんか使いづらいです。

Copy To Multiple Objects (複数のオブジェクトにコピー)


全部のオブジェクトを選択した状態でこのスクリプトを実行すると・・・
最前面のオブジェクトが他のオブジェクト全てに変わります。

「Scale Objects?」のところでいいえをえらぶと最前面のオブジェクトそのもの(縮小・拡大されないまま)コピーされます。


Extrude Faces (表面を押し出す表現

ダイレクト選択ツールでオブジェクトの一部だけを変形させたいときなどに便利なスクリプト。


Fleurify(花)

オブジェクトを選択してこのスクリプトを実行すると

花っぽい何かができました。(拡大率をきめることができます。)

 


Fractalize (フラクタライズ)




JoinText Frames (テキストフレームを繋げる)

このような別々のテキストフレームに書かれた文章にこのスクリプトを実行すると

高さがy軸がずれていても数値を調整してあげるとテキストを繋げることができます。

Organify(ランダムに歪ませる)

このような線にこのスクリプトを実行すると

ぐちゃぐちゃになります。数値を大きくすることでもっとぐちゃぐちゃに出来ます。

 

Organize (ルールを決めて整列)

こんな感じのばらばらなオブジェクトにこのスクリプトを実行すると

並べる順は3回に分けて決めることが出来ます。今回はデフォルトのまま実行しました。

 


Save With Timestamp (タイムスタンプ付けて上書き保存)

スクリプト名のとおり、ファイル名に日付と時刻を追加して上書き保存されます。


Select Text By Size (サイズテキストの選択)

このように色が違う同じサイズのテキストがあるときに便利なスクリプトです。

スクリプトを実行して、ウィンドウに選択したいフォントサイズを入力することでそのサイズの文字を全て選択してくれます。

 Set All The Things (すべてのオブジェクトのサイズを同じに)

このように大きさがバラバラのオブジェクトにこのスクリプトを実行すると

入力した項目によって大きさを同じに出来ます。

 Sharpen Corners (シャープコーナー)

ペンツールなどで描いた丸みのあるオブジェクトにこのスクリプトを実行すると

カクカクしたオブジェクトにできます。

 Size By Luminance (輝度でサイズを変更)

同じ大きさで色が違う複数のオブジェクトにこのスクリプトを実行すると

輝度順に大きさが変わります。

 Swap Objects (スワップオブジェクト)

こんな感じの2つのオブジェクトにこのスクリプトを実行すると

位置と大きさを入れ替えてくれます。

 Vary_hues (複数のオブジェクトの色相を変える)

このように複数のオブジェクトの色を一度に変えたいときに便利なスクリプトです。

ランダムに色を変えることが出来ます。

 




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